2009 Fiscal Year Annual Research Report
早期産児の睡眠覚醒リズムの発達と育児ストレスに関する縦断研究
Project/Area Number |
20592610
|
Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
安積 陽子 Konan Women's University, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (40336847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 医学部, 教授 (10216658)
|
Keywords | 睡眠覚醒リズム / 育児ストレス / 看護学 |
Research Abstract |
研究1:研究目的は、月齢進行に伴う早期産児の夜間睡眠の変化を正期産児との比較から明らかにすることである。研究方法は以下の通りである。早期産群15名、正期産群20名に対して(在胎週数、出生体重:早期産群、27.5±2.2週、937.6±195.1g、正期産群39.1±1.1週、2939.5±380.5g)、米国A.M.I社製のActigraph(マイクロ・ミニRC型)による1週間のデータ収集を行った。Adigraphから得た活動量は、睡眠・覚醒判定し睡眠指標を求めた。睡眠指標を従属変数、在胎週数と修正月齢を独立変数とし二要因分散分析を行った。分析の結果、夜間睡眠時間、覚醒時間、睡眠効率、夜間最長睡眠時間、平均体動数は修正月齢による主効果が有意であり(P<.01)、13か月以降の睡眠指標は良好な値であった。以上のことより、早期産群では、修正13か月以降に睡眠時間は正期産児群と同程度まで達し、夜間睡眠の質を示す指標は体動に関連する指標を除くと、在胎週数による差はわずかとなることがわかった。修正1年を過ぎた時期は、早期産群も断続的である睡眠エピソードの持続時間が延長する時期であることが推察された。 研究2:早期産で生まれた子の睡眠特徴と母親の育児ストレスとの関連を検討した。対象を修正月齢2歳までの子とその母親50組(早期産群20組、正期産群30組)とし、児の睡眠状態、母親の育児ストレスを測定した(日本版PSI短縮版)。育児ストレス得点(母親自身に関するストレス;PSIc、子どもの特性に由来するストレス;PSIp)を従属変数、児の睡眠指標と母親の背景(年齢、子どもの数)を独立変数とした重回帰分析を行った。その結果、早期産群の育児ストレスの総点は、正期産群よりも有意に高かった(p=.00)。ステップワイズ法による重回帰分析の結果、PSIcは在胎週数、児の睡眠効率との関係が高く(p=0.00)、PSIpは在胎週数、母親の年齢との関係が高かった(p=0.00)。以上のことから、子どもの特性に由来するストレスは在胎週数と睡眠効率が影響していることがわかった。
|
Research Products
(5 results)