2008 Fiscal Year Annual Research Report
高校生のセクシュアル・ヘルスリテラシーの測定尺度と性教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20592613
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
富岡 美佳 Kansai University of Social Welfare, 看護学部, 助教 (30441398)
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Keywords | セクシュアル・ヘルスリテラシー |
Research Abstract |
本研究は、ヘルスリテラシー概念に着目し、高校生に対する性教育の効果指標としてセクシュアル・ヘルスリテラシー概念を定義し、その測定尺度を開発することと、セクシャルヘルスリテラシーの向上に向けた性教育プログラムの開発を目的とするものである。本年度は、尺度を開発するために国内外のヘルスリテラシーに関する文献を収集・精読した。その結果、次の3点が明らかにされた:(1)ヘルスリテラシーは、「機能的リテラシー」「相互作用的リテラシー」「批判的リテラシー」の3つの概念で構成され、その中でも機能的リテラシーに関する研究がほとんどであった。唯一、Ishikawaら.(2007)の尺度が上記3つの概念を測定しうる尺度であった。(2)多くの研究が国外で実施されたものであり、国内においては、糖尿病患者を対象とした、Ishikawaら.(2007)の論文のみであった。(3)ヘルスリテラシーに着目した研究は、慢性疾患、高齢者、移民を対象とており、思春期の研究は見当たらなかった。(4)思春期のセクシュアル・ヘルスに関する分野においてヘルス・リテラシーに関する研究は見当らなかった。以上の結果を踏まえ、本研究では、Ishikawaら.(2007)の尺度を参考に、高校生のセクシュアル・ヘルスリテラシーを測定するための尺度項目を作成した。尺度項目の内容および表現に関して度重なる検討を専門家と重ね、最終的に、機能的リテラシー8項目、相互作用的リテラシー5項目、批判的リテラシー7項目、計20項目からなる思春期向け、セクシュアル・ヘルスリテラシー尺度暫定版を得た。今後は、予備調査として、本尺度を高校生200人に適用し、その信頼性・妥当性を統計的に検討する予定である。本研究の成果の一部は随時、学会や学術雑誌において公表していく予定である。
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