2009 Fiscal Year Annual Research Report
出産後尿失禁の慢性化を予防するための骨盤底ケアのエビデンスに関する研究
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20592617
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Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
長島 玲子 The University of Shimane Junior College, 看護学科, 准教授 (00310805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 典子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (70225639)
井上 千晶 島根県立大学短期大学部, 看護学科, 助手 (80413491)
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Keywords | 出産後尿失禁 / 骨盤底筋訓練 / 骨盤底ケア / 形態学的評価 / シネMRI / 肛門挙筋 / QOL |
Research Abstract |
〔研究目的〕継続した骨盤底筋訓練が出産後尿失禁の慢性化を予防する効果について、シネ撮影を含むMRIを用いて骨盤底の形態学的分析をし、評価する。 〔研究方法〕対象は妊娠16週から出産後4か月まで骨盤底筋訓練を実施した群(訓練群とする)4人と訓練を行なわない群(非訓練群とする)7人に分けて検討した。対象者全員が妊娠経過や分娩時に異常が無い初産婦である。妊娠経過中の尿失禁症状の有無と程度および訓練の実施回数を記録した。訓練は骨盤底の遅筋と速筋を強化するよう設定した。訓練群の年齢は21~36歳であった。非訓練群の年齢は24~32歳であった。出産後4か月の時点で、MRIを用いて骨盤底の支持組織の形態学的評価を行なった。尿道の支持構造の密着度はT2強調横断像で測定した。膀胱頚部の位置(仙骨からの距離)と高さ(恥骨下端と仙骨・尾骨の接合部を結んだ基準線からの距離)は、シネ画像の正中矢状断像にて安静時と骨盤底筋収縮時に測定した。 〔研究成果〕訓練群は妊娠30週と37週において尿失禁症状の出現が少ない傾向にあった。出産後1か月と4か月では尿失禁症状の差はなかった。骨盤底の形態学的評価では、T2強調横断像において尿道の支持構造には差がなかった。シネ画像の正中矢状断像では、骨盤底筋収縮時において訓練群の膀胱頚部は前方に位置し、高くなる傾向であった。 〔意義〕骨盤底筋訓練は、妊娠や出産に伴う骨盤底の損傷予防や修復を促す役割がある。この現象をMRIで形態学的に証明することができる。すなわち、骨盤底筋訓練が出産後尿失禁の慢性化を予防することのエビデンスを明確にすることができる。 現在、データ収集途中であり、今後得られるデータと合わせて詳細な解析を行なう。
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Research Products
(3 results)