2008 Fiscal Year Annual Research Report
労働者を対象にしたストレスマネジメントプログラムの効果に関する無作為化介入研究
Project/Area Number |
20592618
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河原田 まり子 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (90374272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 英治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70435957)
上田 泉 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (90431311)
平野 美千代 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (50466447)
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Keywords | ストレスマネジメント / ストレス免疫訓練 / メンタルヘルス / 産業保健師 / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、労働者を対象にした一次予防的ストレスマネジメントプログラムの開発とその効果を検証することである。平成20年度は、ストレスマネジメント理論の整理と我々が平成18・49年度に1公務職場の協力を得て実施したストレスマネジメント介入研究の分析による知見を総合的に検討して、ストレスマネジメントプログラム試案を作成した。また、事業所における介入研究を実施するための研究協力組織づくりを行つた。 ストレスマネジメント理論の整理では、認知行動療法の主な理論の一つであるストレス免疫訓練による先行研究の成果を整理した。ストレス免疫訓練を活用したストレス予防教育はわが国では非常に少なく、欧米の研究成果を日本のストレス予防教育に応用するための理論的基礎を明らかにすることができた。実践研究は、介入群70名と対照群70名の非ランダム化比較試験で、認知行動療法を応用した3回の研修会で構成したプログラムであった。介入効果を分析した結果、有効なストレス対処行動である問題解決対処と積極的認知対処の有意な向上やストレスマネジメント行動の実践に対する関心レベルの向上も確認できた。また、ストレス反応の軽減が確認できなかったことや参加回数のばらつきなど研究の課題を明確にすることができ、プログラムを作成する上で貴重な示唆を得ることが弐できた。理論的整理と実践研究の分析による知見を総合的に検討してストレスマネジメント試案を作成した。協力組織づくりのために、研究参加の協力が得られた3事業所の5名の産業保健師と研究者で3回の打合せ会議と研修会を実施した。打合せ会議を通してストレスマネジメント試案をより実践的な内容に修正することができた。また、研修を担当する各事業所保健師のストレス予防教育に関する問題意識が弐高まり、事業所における無作為化介入試験の準備を進めることができた。
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