2010 Fiscal Year Annual Research Report
労働者を対象にしたストレスマネジメントプログラムの効果に関する無作為化介入研究
Project/Area Number |
20592618
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河原田 まり子 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (90374272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 英治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70435957)
平野 美千代 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 講師 (50466447)
上田 泉 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (90431311)
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Keywords | ストレスマネジメント / ストレス免疫訓練 / メンタルヘルス / 産業保健師 / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は労働者を対象にした一次予防としてのストレスマネジメントプログラムの開発とその効果を検証することである。研究期間内に、1.ストレスマネジメントプログラムの作成、2.ストレスマネジメントプログラムの実施と評価、3.介入プログラムの評価指標の検討を行うことを目標にした。 認知行動療法の一つであるストレス免疫訓練に基づいたストレスマネジメントプログラムの効果を測定するために、平成21から22年度に研究協力事業所の職員100名を対象に無作為化介入試験を実施した。平成21年度は介入群を対象に協力事業所の産業保健師による2回の研修会とセルフモニタリングおよびフォローアップレターによる介入を実施し、抑うつの改善傾向と悪化の予防効果が確認できた。平成22年度は2事業所の待機群43名を対象にプログラムを実施した。また、協力事業所の産業保健師による評価会議を開催し、プログラムの再検討を行った。1事業所64名の従業員の協力を得て、研修を1回で実施する修正版ストレスマネジメントプログラムを実施した。参加者に質問紙調査を行った結果、認知再構成法、問題解決法、リラクゼーションなど認知行動療法のストレス対処技法は80%以上が肯定的な回答で、76.3%がストレス対処に役立つ内容であったと回答した。修正版プログラムは小規模事業所でも実施可能なストレス予防教育の一つとして、今後活用できるのではないかと考える。さらに、3つ目の研究目標である介入プログラムの評価指標の検討を行った。協力事業所の従業員159名の介入前の調査データを用いて、効果を評価するために用いた各変数間の関連を解析した。抑うつとコーピングおよび首尾一貫感覚(SOC)との有意な関連があった。予防教育の効果を可視化するために、うつ病予防につながる観察可能な評価指標を開発することはメンタルヘルス対策を推進する上で重要である。
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Research Products
(5 results)