2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の障害進行予防のためのサービス提供のあり方に関する追跡研究
Project/Area Number |
20592645
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
三徳 和子 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療福祉学部, 教授 (60351954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 利治 統計数理研究所, 教授 (30175575)
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Keywords | 要介護(支援)認定者 / 追跡 / 死亡 / 生存分析 / 介護度 / 性 / 介護者 / 世帯 |
Research Abstract |
1.在宅死亡 在宅要支援・要介護認定者の死亡について介護者・世帯関連因子について観察した.平成15年4月から平成16年12月までの21ヶ月の間で1回でも要介護認定審査会で認定された在宅療養者1,826人のうち市役所住民課調査で平成19年10月までの間に死亡が確定した505人について死亡場所と,対象者確定時の介護者と世帯との関連を分析した. 結果は,(1)505人の平均年齢は男81.7歳(標準偏差6.8),女81.9歳(標準偏差7.1)であった. (2)自宅での死亡は24.8%(男性28.8%で女性21.6%)であった. (3)要介護度別では,要介護5での自宅死亡が36.2%で他の介護度(18.0-27.8%)よりも高かった. (4)自宅で死亡した者のベースライン時の主介護者は配偶者(30.4%)で,次いで嫁(24.8%)の場合に割合が高かった.配偶者の内訳は妻(59.4%),夫(32.8%)であった. (5)世帯構成では,夫婦ともに65歳以上の世帯(27.6%)で最も高い割合を示した.一方,孫のない2世代世帯では在宅死の割合が低かった. 以上から,中山間地である郡上市の要介護(支援)認定者の死亡は,在宅での死亡が多かった.介護度5で自宅での死亡が多いのは,介護者の長い介護が,最後まで自宅で看取ろうとする意識を高めたと推測できる.世帯構成では家族数が多いほど,また介護者は配偶者次いで嫁の場合に在宅での死亡が増えていた.今後配偶者の介護には優先的な支援が必要であると考えられる. 2.3年7ヶ月後の死亡 生存分析を用いてハザード比(95%CI)を算出した. 結果は,(1)年齢調整後の多変量解析では女1.0に対して男1.97(95%CI 1.74-2.22)であった. (2)介護度別では要支援を1.0とした場合要介護1は1.37(95%CI 1.09-1.72),要介護2は1.91 (95%CI 1.49-2.44),要介護3は2.67(95%CI 2.10-3.41),要介護4は2.68(95%CI 2.09-3.45),要介護5は5.05(95%CI 3.96-6.44)と有意な差が見られた. 以上から,男性は要介護状態になったら,女性よりも死亡のリスクが高いこと,介護度が重度になるにつれて死亡リスクは高くなること,中でも要介護5のリスクが最も高いことが判明した.
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