2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域の文化に即した生活習慣病予防の保健指導方法-都市部と農村部の比較-
Project/Area Number |
20592647
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Research Institution | Chiba College of Health Science |
Principal Investigator |
丸谷 美紀 Chiba College of Health Science, 准教授 (50442075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 有子 千葉県立衛生短期大学, 講師 (30279624)
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Keywords | 保健指導 / 生活習慣病予防 / 文化 / 保健師活動 |
Research Abstract |
1. 研究成果の具体的内容 千葉県内3町及び群馬県内1町において、61事例の生活習慣病予防の個別保健指導を参加観察した。保健指導後1ヶ月から6ヶ月後に生活習慣もしくは体重・腹囲に改善が見られた事例について、保健指導で保健師が意図した事柄、文化を考慮した保健指導方法を質的帰納的に分析した。その結果、次の知見が得られた。 (1)指導対象者本人へ向けられた意図 自己の築いてきた生活や親から引き継いだ価値感が生活習慣病の一因となり得ても、それを否定されているのではないという安心感が得られ、変化に伴う痛みに向き合うことができる。 (2)指導対象者の家族へ向けた意図 家族(親世代・子世代・配偶者)への気遣いを汲み、心理的抵抗や生活への負担が少なく生活習慣を改善できる方法を考えることができる。 (3)地域の変化を意図 首長の方針や農村部の強い近隣とのつながりを活かして、個の変化を通じた地域全体の価値観・生活習慣の変化を目指し、そのことによりさらにこの生活の充実を目指す。 2. 意義・重要性 農村部の熟練した保健師は、特定保健指導という政策的な取り組みを活用して、高齢者、要介護者、障害者、子どもが一緒に生活している地域全体の健康の底上げを意図していた。 個別保健指導をアウトソーシングする自治体が増える中、自治体が政策的に取り組んでいる健康作りなど、ポピュレーションアプローチと表裏一体となった個別援助であることを示し、アウトソーシングをする場合に質の確保ができる。
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Research Products
(3 results)