2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域の文化に即した生活習慣病予防の保健指導方法-都市部と農村部の比較-
Project/Area Number |
20592647
|
Research Institution | Chiba College of Health Science |
Principal Investigator |
丸谷 美紀 千葉県立保健医療大学, 健康科学部・看護学科, 准教授 (50442075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部・看護学科, 講師 (30279624)
|
Keywords | 保健指導 / 生活習慣病予防 / 文化 / 保健師活動 |
Research Abstract |
1.研究成果の具体的内容 1)方法 (1)日本地域看護学会第13回学術集会ラウンドテーブルで、農村部における5つの先行研究の知見を統合して得られた「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導ガイドライン試案(農村部)」を提示し、16名の参加者より、「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導ガイドライン試案-農村部における研究知見の統合より-」に対する意見を聴取した。 (2)先駆的に地域の文化を考慮した生活習慣病予防に取り組む1町2市で、「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導方法」を調査し、筆者らの農村部における5つの先行研究の知見を統合して得られた「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導ガイドライン試案(農村部)」及び、平成21年度調査により明らかになった「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導方法(都市部)」に照合した。 (3)(1)及び(2)で確認した、「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導ガイドライン試案(農村部)」及び「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導方法(都市部)」を比較し、「地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導ガイドライン」及び、農村部と都市部の特徴について検討した。 2)分析結果 (1)地域の文化を考慮した生活習慣病予防の保健指導方法は、以下の共通する項目と特徴が得られた。 〈地域の文化の把握方法〉a客観的な資料・調査・地域外からの助言、b日常業務での住民の語り・実体験、等 〈地域の文化の内容〉A歴史・経済活動の影響を受け変化する家庭・労働生活・健康管理とそれらへの価値観等 〈地域の文化を考慮した保健指導〉・住民同士や保健師との関係性に合わせて指導を開始する等。 (2)農村部・都市部の特徴 〈地域の文化の把握方法〉農村部は地域外からの助言が、都市部はキーインフォマントや地元メディアの活用が特徴的だった。 〈地域の文化の内容〉農村部は歴史を踏まえてた緩やかな変化、他世代の関係性、保守と変容が、都市部は、多様な職業・家族、流動的で速い変化、地元を作る意識が特徴的だった。 〈地域の文化を考慮した保健指導〉農村部は開かれた導入が、都市部は慎重な導入が必要であった。 2.意義・重要性 生活習慣病予防の指導方法は様々な方法が開発されているが、対象者の価値観や社会規範へ働きかける者は少ない。地域の文化に影響を受けて育まれる生活習慣や価値観・規範を把握して指導に生かす方法は、個人の行動変容のみならず地域全体の変化をもたらすと考える。
|
Research Products
(4 results)