2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592649
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小泉 美佐子 Gunma University, 医学部, 教授 (50170171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 弘美 群馬大学, 医学部, 助教 (70375541)
坂入 和也 群馬大学, 医学部, 助教 (80361369)
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / well-being / おだやかさ / 生活史 / 思い出ノート / アルバム写真 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症の経過中にみるおだやかさ(well-being)をとらえ、おだやかさはどのような生活背景からくるのかを明らかにすることである。 平成21年度は、辻村と小泉が作成した「認知症高齢者のおだやかスケール(以下おだやかスケール24項目)」を用いた評価から、認知症高齢者のおだやかさの実態を明らかにすることを研究目標とした。 但し、「おだやかスケール24項目」は、認知症高齢者の行動観察による他者評価であるため、評価者間の信頼性の検証に問題を残していた。そこで、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症グループホーム、認知症デイサービスを利用する認知症高齢者39名を対象に、高齢者1名に対して2名の介護スタッフによるおだやかさの評定を行い評価者間の一致率を調べた。結果、一致率が30%台の質問項目が5項目検出された。それらは、例えば「満足している、満たされている様に見える」など、被評価者の主観を評価する項目が主であった。これを「笑顔で喜びを示す」と外側から観察評価できる表現に変えるなどして項目を20項目に精選、「認知症高齢者のおだやかスケール20項目改訂版」を考案した。改訂においては、トム・キッドウッドが提唱するパーソンセンタードケアで述べられている'うまくいっているしるし12項目'(トム・キッドウッド、キャスリーン・ブレディン、2005)と照合して、一部、スケールの項目にとり入れた。 また、認知症高齢者の生活史の理解とコミュニケーションを豊かにするツールとしてBourgeoisが考案した「思い出ノート」を認知症高齢者2名と研究者が共に作成、その効果と有用性を明らかにする研究を行った。
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