2009 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の排便管理及びケアの質の向上を目指したプログラムの開発
Project/Area Number |
20592650
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榊原 千秋 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (20367501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚崎 恵子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20240236)
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Keywords | 排便ヶア / 排便管理 / 要介護高齢者 / 介護老人保健施設 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、介護老人保健施設の看護・介護職を対象にして、要介護高齢者に対する排便ケアの質の向上を目指した「排便管理リーダー育成プログラム」を組織的なアクションリサーチにより開発することである。平成21年度は、平成20年4月から9月に実施した「排便管理リーダー養成研修会」と9月から平成21年3月に実施した各施設の排便管理リーダー養成研修参加者による組織内での排便ケアの質の向上を目指したカリキュラムの効果を平成20年4月、9月、平成21年3月に実施した介護老人保健施設の入所者及びスタッフへの調査から解析した。入所者は、ADL・栄養状態・排尿状態・皮膚の状態及び排便の状態スタッフは自己効力感・QOL・排便等問題解決能力の効果の指標の調査を行い解析した。 【平成21年4月の調査結果】入所者192人を対象とし、1ヶ月間の毎日の便の性状、便意、腸蠕動、排便日数、排便状態や排便ケア状況、栄養状況等について調査した。対象者の平均年齢は87.4歳で、要介護度は3以上が70%、認知症は94%だった。1ヶ月間の排便において軟便が25%以上みられた軟便の者は22.5%、硬便が25%以上みられた硬便の者は10.9%だった。下剤を使用していた人は63%で、そのうち緩下剤の使用が27%、刺激性下剤の使用が18%、緩下剤と刺激性下剤の両方を使用していた人が18%だった。整腸剤の使用は4%、坐薬の使用は20%だった。摘便は35%、浣腸は2%だった。軟便に関連する要因は、1日摂取カロリーは少なく、便意がある者は少なく、1日繊維量が多く、尿失禁が多く、刺激性下剤を使用している者が多かった。硬便に関連する要因は、排便日数が1ヶ月に13日と少なく、腸蠕動がなく、坐薬の使用者が多かった。個々の高齢者の便の性状に注目し排便周期をアセスメントした上で排便のケア方法を検討する必要が示唆された。
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Research Products
(1 results)