2010 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の排便管理及びケアの質の向上を目指したプログラムの開発
Project/Area Number |
20592650
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榊原 千秋 金沢大学, 保健学系, 教授 (20367501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚崎 恵子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20240236)
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Keywords | 排便 / リーダー育成 / アクションリサーチ / 介護老人保健施設 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は、介護老人保健施設の看護・介護職を対象に行った「排便管理リーダーの育成プログラム」の効果を評価するため、平成20年4月から9月に実施した「排便管理リーダー養成研修会」と平成20年9月から平成21年3月に実施した排便管理リーダーによる組織内での排便ケアの質の向上を目指した排便ケア改善計画の評価について、平成20年4月、9月、平成21年3月に実施した調査データの解析に取り組んだ。そのうち、ブリストルストールスケールを活用した排便ケアリーダー養成研修会のみに介入するプログラムと、研修会後の組織内教育にも介入するプログラムについて各施設のデータについて、入所者の便の性状の変化・満足度、スタッフの排便アセスメント実施度、排便ケア改善計画の達成度を解析し結果をまとめた。 その結果、各2施設とも、1年後、入所者の便の性状が普通便に改善した者が30-40%おり、満足度が高くなった。刺激性下剤の使用者の割合が20-40%に減少した。施設全体の緩下剤使用量が減少した。さらに研修会後の組織内教育に介入した施設では、スタッフの排便アセスメント実施度は高く、排便ケア改善計画がすべて達成できたことが明らかになった。結果は、ベースライン調査の結果を、Fecal properties and associated factors in elderly persons requiring care at a long-term care health facility for the elderly.J Tsuruma Health Sci.Soc.2010;34:39-49.に投稿し掲載された。介護老人保健施設における排便ケアシステムの構築プログラムの開発と評価の結果は、Development and evaluation of care methods for defecation disorders in long-term care facilities.をNursing and Health Sciencesに投稿中である。 これは、本プログラムが、高齢者施設において排便ケアシステムの構築と排便ケアの質の向上に役立つと考えられ意義あるものである。 来年度は、平成20年3月と9月のデータを解析し投稿予定である。
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