2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者の配偶者の病いの体験と家族支援に関する研究
Project/Area Number |
20592651
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水野 恵理子 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (40327979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 みすず 飯田女子短期大学, 看護学科, 准教授 (00461872)
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Keywords | 統合失調症 / 配偶者 / 家族支援 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、3ヵ年全体を通して精神科病院に入院または通院している統合失調症患者の配偶者にとっての、統合失調症という病いや患者、日常生活に関連する困難さや葛藤、さらにそれらが配偶者の生活や人生に及ぼす影響を質的分析により明らかにし、配偶者に対する効果的な援助構築のための知見を得ることである。平成20年度は、統合失調症患者と配偶者との関係、配偶者の生活状況に関する文献検討を行い、面接ガイドを作成し、平成21年から実施する面接調査のための準備を整えることが目的であった。1983年〜2008年の国内文献検討の結果、「結婚状況からみた配偶者の状況」と「患者の社会適応状況からみた配偶者の状況」の研究に分類された。家族状況は患者の社会生活適応に大きく影響し、同居患者は配偶者からの支持を受けていた。1990年〜2008年の海外文献は、「配偶者の体験に関するもの」と「配偶者のQOLに関するもの」とに分類され、患者へのケア提供は配偶者の精神的健康に影響を与えること、患者の機能レベルと配偶者のQOLとの間には有意な関連が認められ、配偶者特有の体験やニーズに即した支援は不足していることがわかった。以上の結果をふまえて、設問項目を吟味し面接ガイドを作成し、山梨県と長野県における精神科医療施設長の許可を得、対象者確保を進めており、研究代表者が所属する倫理委員会の承認を得た上で面接を実施する次第である。なお上記文献検討の結果を、平成21年8月に開催される10th International Mental Health Conferenceにて発表予定である。
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