2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者における暴力のリスク評価のための評価ツールに関する研究
Project/Area Number |
20592653
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
下里 誠二 Shinshu University, 医学部, 准教授 (10467194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 桂 信州大学, 医学部, 助教 (00402107)
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Keywords | 精神科看護 / 評価尺度 / 精神症状 / ニード |
Research Abstract |
【目的】本研究では、看護師が測定可能な精神症状の測定尺度のうち、現在精神症状を測定する上で世界的にも広く利用されている簡易精神症状評価尺度(Brief Psychiatric Rating Scale:BPRS)の看護者版(McGorry,1987)およびニードを測定する尺度であるCamberwell Assessment of Need Forensic version(CANFOR)の日本語版の作成及びその信頼性妥当性の検証を行い、これらを含んだアセスメントでの暴力のリスクについての包括的なアセスメントについて検討を行うことを目的とし、平成20年度はBPRSおよびCANFORの日本語版作成を目的とした。 【結果】BPRS-NM、及びCANFORの日本語版の作成を研究代表者及び研究協力者を中心に特に精神看護学に精通した修士号以上の学位をもつ者により両評価尺度の日本語訳を行った。BPRSについては北村らによるOxford版(北村ら、1986)、伊藤らによるオリジナル版の翻訳の用語を参考にした。翻訳後日本語訳をバックトランスレーションした後、両開発者に訳語上の誤りのないことを確認してもらった。最終的にBPRS-NMのうち、観察のみで評価可能な項目を「緊張」「感情的引きこもり」「街奇的行動」「運動減退」「非協調性」「情動鈍麻」「興奮」とし、面接を必要とする項目は「心気的訴え」「不安」「思考解体」「罪業感」「誇大性」「抑うつ気分」「敵意」「疑惑」「幻覚」「思考内容の異常」「失見当識」とした。CANFORの25の領域は「住居」「食事」「生活環境の管理」「セルフケア」「日中の活動」「身体的健康」「精神症状」「状態や治療についての情報」「心理的苦痛」「自己への安全」「他者への安全」「アルコール」「薬物」「交流」「親密な関係」「性的印象」「子供の世話」「基礎教育」「電話」「移動(交通手段)」「金銭」「給付」「治療」「性犯罪」「放火」とした。この日本語訳についてさらに看護師長以上の精神科の臨床看護者に意見を求め修正した。
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Research Products
(5 results)