2010 Fiscal Year Annual Research Report
再入院を繰り返す精神障害者へのM-ICM及びIPSモデルの開発
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20592660
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 しおり 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (50295755)
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Keywords | 統合失調症 / 集中包括型ケース・マネジメント / 援助つき雇用プログラム / 地域生活支援 |
Research Abstract |
昨年度作成したモデルおよびプロトコールをもとに、昨年から引き続き、調査に同意の得られた2つの精神病院の急性期治療病棟において、昨年データ収集した29名に加え、退院後3ヶ月未満で再入院するもしくは入院3ヶ月以上の精神障害者で調査に同意の得られた患者35名を対象に、7-8名ずつグループを作り、入院中2ヶ月間退院支援ケアパッケージを実施し、退院後3ヶ月間はM-ICM(1週間に1回以上の精神科ケア・マネジメントチームによる訪問、危機時の往診、訪問看護、セルフマネジメントプログラム)を実施した。さらにその後、希望に応じてM-ICM追跡調査群とIPS実施群にわけ、IPS群には就労支援を行う。評価を入院時、退院時(M-ICH導入時)、退院3ヶ月後(IPS導入時)、退院6ヶ月後(どちらも終了)に、病状(BPRS)、社会的機能(GAF)、日常生活機能(LSP)、生活の質(SF-36)、ケアへの満足度を評価し、2群間の分散分析、介入前後の差の検定を行い、介入の成果を検討した。また介入内容については、医療記録を質的に分析した。介入群は追跡調査群と比較すると患者の病状、日常生活機能、QOLは追跡調査群と比較すると改善がみられ、再入院率も改善していた。また介入群は作業所への就労も追跡調査群に比べると行えていたが、その比率は少なかった。また支援内容においては、介入群の支援内容は、患者、家族双方への支援、病状管理だけではなく人格の特徴や成長発達上の課題、今後の生活への要望を理解して関わっており、就労支援においても患者の作業能力の見極めを行いながら支援が行われていた。さらに、介入群では、対象者の要望と病状・人格・発達上の特徴を理解した社会資源の選択が行われており、スムーズに地域での生活が促進されていた。
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Research Products
(2 results)