2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族が用いる認知症早期発見のための展望的記憶評価ツールの開発
Project/Area Number |
20592673
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 紀代美 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (60269636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 公昭 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (10237703)
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Keywords | 認知症 / 家族 / 日常生活記憶 / ツール |
Research Abstract |
本研究は,高齢者の日常生活における記憶の変化から,家族や身近な者が使用可能な信頼性・妥当性の高い認知症早期発見のための尺度の開発を目的としている。平成22年度は,平成20年度に実施したデータの回答者に対して追跡調査を実施した。 平成20年度の調査対象者であるA県B市の選挙人名簿抄本より無作為抽出された65歳以上75歳未満の前期高齢者1560人の内,有効回答が得られた815人からさらに転居,病弱,死亡等を除いた724人に対して追跡調査を実施した。調査項目は20年度実施した本人による「生活記憶チェックリスト(Everyday Memory Checklist : EMC)(39点)」に加え,配偶者による他者評価のEMC調査も併せて実施した。回収数は604人(82.0%)であった。内訳として,男性297人(49.2%),女性307人(50.8%)で,平均年齢は71.15±3.69歳であった。EMC項目得点の自己評価の平均点は男性8.38±6.38点,女性7.06±4.40点で性差が見られた(p<0.01)。また,男性に対する妻によるEMCの他者評価は,7.66±6.75点で,夫自身の自己評価EMCより肯定的に評価しているものの有意差は見られなかった。女性では夫による他者評価EMCは7.01±5.74であり,本人評価との差は認められなかった。さらに,平成20年度及び22年度ともにEMC得点が得られた477人の変化を比較したところ,男性(240人)では,20年度8.18±5.94が22年度8.26±5.96であり,女性(237人)では20年度7.43±±4.20が22年度は7.09±4.50であり,いずれも有意差がみられなかった。今後,さらにデータを詳細に分析し,脱落者との関係などからEMCの意義について考察を深める予定である。
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Research Products
(1 results)