2009 Fiscal Year Annual Research Report
単純化した標準栄養バランス表を用いた肥満児童への食事指導
Project/Area Number |
20592687
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Research Institution | Akita University of Nursing and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 厚子 Akita University of Nursing and Welfare, 看護福祉学部, 講師 (20320608)
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Keywords | 肥満改善 / 標準栄養バランス表 / 糖尿病 |
Research Abstract |
文部科学省の調査によると児童肥満は過去20年間で5%から10%に増加したと報告されており、アジアでは10%に近づきつつある。肥満はタバコと並んで疾病率を予防できる第二の危険因子とされており、全世界の災難のひとつとして、いかに肥満対策をするのかが問われている。従来の食事指導方法は食事の種類と量を記録し、摂取カロリー計算をし、求められる指示カロリーに近づけるという煩雑な方法であった。この煩雑さが栄養指導に失敗した原因の一つと考えられる。研究代表者は単純化した標準栄養バランス表を開発した(Satoh A et al. Jap J Nursing Science 4:1-8,2007.)。単純化した標準栄養バランス表は肥満児童と母親が視覚的に食事改善を見ることができるものである。日本糖尿病学会が出版している食品交換表の内容を11項目の食品群に分類し、食品材料毎に摂取した食品回数を黒丸で表す。このとき食品材料の量は考慮しない。児童が摂取した食事内容を黒丸に表すことにより、児童と母親は児童が摂取した黒丸が標準栄養バランス表の黒丸の数に近づいたことを視覚的に認識できる。これが励みになり、更に次の食事改善に取り組める。黒丸が標準に近づいたことが励みにもなることで継続が可能になることが本研究方法の独創性のある点である。また、糖尿病患者の食事指導は困難を極めており、多くは成功していないのが現状である。特に糖尿病在宅老人の食事管理については、配偶者に従来の食事指導をいくら説明しても理解できず、実行不可能な場合が多い。その点視覚的に訴える本方法は単純で高齢者にも理解されやすく実行可能である(Satoh A,et al. Jap J Nursing Science 5:83-89,2008.)。しかし、食事内容の分析に時間を要し、多人数の分析が難しい状況であった。そこで、食事内容を書き込めば自動的に黒丸に変換するコンピュータープログラムを作成した(平成21年5月特許出願中)。これにより広く肥満児童や高齢糖尿病患者に応用することができる。
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