2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患をもつ訪問看護利用者とその家族への効果的な家族看護技術の検討
Project/Area Number |
20592688
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片倉 直子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60400818)
|
Keywords | 精神疾患 / 訪問看護ステーション / 家族看護 |
Research Abstract |
【目的】訪問看護ステーション(ステーション)からみた,精神疾患をもつ利用者への家族支援の体験とその頻度を把握し,その支援の困難要因を明らかにすることである. 【方法】300のステーションに質問紙調査を行った,82ステーション(有効回答率27.3%)と160人の看護師が回答した.質問紙は,家族支援における困難場面の遭遇の有無と,29項目の具体的な家族支援場面における体験を看護師にたずねた.具体的な看護支援場面における体験は因子分析を用いてカテゴリー化し,家族支援の困難感との関係はロジスティック回帰分析を行った. 【結果】60人(37.5%)の看護師が家族支援における困難の遭遇があると回答した.29の具体的な家族支援の体験は「I.家族による支援体制の不十分さ」「II.サービスに関する手続き上の問題」「III.利用者への世話に関する家族の不適切な対応や認識」「IV.利用者よりも家族への訪問看護提供の比重の高さ」「V.家族の精神状態の不安定さ」「VI.家族による安全性が確保されない利用者への介護方法の選択」「VII.利用者のサービス利用や財産面の権利に対する家族の侵害」「VIII.訪問看護などの社会資源に対する家族の受入れの消極性」と8カテゴリーに分類した.看護師が行っている家族支援場面における体験と,家族支援における困難感は関連していた. 【考察】本研究の看護師が行っている家族支援は,精神疾患をもつ利用者自身の精神状態の安定と,家族のQOLや家族システムの健康を保つために意義ある活動である,しかしながら,看護師は家族支援のために時間的にもニーズの上でも多くの労力を割いていることから,精神疾患領域における家族支援に対する診療報酬体制を整える必要がある.また,他機関のサービス調整に半数以上の看護師が労力を割いていることから,ケースマネジメント体制に関しても検討が必要である.
|
Research Products
(1 results)