2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護師が実施する外来女性うつ病患者への集団認知行動療法プログラムの効果検証
Project/Area Number |
20592690
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
岡田 佳詠 Shukutoku University, 看護学部, 准教授 (60276201)
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Keywords | うつ病 / 認知行動療法 / 集団療法 / 女性 / 精神科看護師 / 外来看護 |
Research Abstract |
本研究は、精神科看護師が実施する、女性うつ病患者の重要他者との関係性における認知に焦点をあてた集団認知行動療法プログラムの効果を、無作為割り付けによる比較から検証することを目的とする。今年度は、コントロール群を設けず、本プログラムの前・後、及び終了後3カ月時点での継続的な効果について、量的・質的データから検討を行った。 対象は、2006年4月〜2008年6月までの本プログラムの参加者42名で、プログラム前・後に、ベック抑うつ質問票・第2版(BDI-II)、自動思考質問紙短縮版(ATQ-R)、非機能的態度尺度日本語版(DAS24-J)を実施した。また12名には、終了後3ヶ月時点にも同様の質問紙を実施し、さらにプログラムによる変化や活用状況等に関する面接を行なった。質問紙データは、対応のあるt検定及びフリードマン検定を行い、面接データはグラウンデッドセオリーアプローチによる質的な分析を行なった。 これらの結果、BDI-II、ATQ-R、DAS24-Jは、いずれも、プログラム前・後間で統計的に有意な差がみられた(t=5.67,p<.01;t=2.24,p<.05;t=2.88,p<.01)が、前・後・終了後3ヶ月間では、有意な差はみられなかった。質的な分析からは、終了後3ヶ月時点でも、重要他者に対する認知、コミュニケーションに関する行動、対処方法などの変化・改善した状態が継続していること、効果の継続にはグループの作用が影響することなどが示された。これらのことから、終了後3ヵ月時点での効果の継続は、今後もデータを蓄積して検討する必要があるものの、プログラム終了時点での効果は示唆された。また質的なデータから、フォローアップの必要性や盛り込む内容が示されたため、今後これらを含めたフォローアップセッションの構築を行う予定である。
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