2009 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護師が実施する外来女性うつ病患者への集団認知行動療法プログラムの効果検証
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20592690
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 佳詠 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60276201)
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Keywords | うつ病 / 認知行動療法 / 集団療法 / 女性 / 精神科看護師 / 外来看護 |
Research Abstract |
本研究は、精神科看護師による女性うつ病患者を対象とした集団認知行動療法プログラムの効果を検証することを目的とする。今年度も昨年に引き続き、本プログラムの前・後、及び終了後3ヶ月時点での継続的な効果について、量的・質的方法のMixed Methodによる検討を行った。 まず、終了後3ヶ月時点における継続的効果について、2007年4月~2009年3月までの参加者14名を対象に、プログラム前・後でベック抑うつ質問票・第2版(BDI-II)、自動思考質問紙短縮版(ATQ-R)、非機能的態度尺度日本語版(DAS24-J)を実施した。また終了後3ヶ月時点にも同様の質問紙を実施し、さらに認知行動療法による変化・改善等に関する面接を行なった。質問紙データは、フリードマン検定とWilcoxonの順位和検定を行い、面接データは継続的比較分析法による質的分析を行なった。その結果、BDI-IIは、プログラム前・後間で統計的に有意な差がみられたが、それ以外の尺度では有意な差がみられず、また、BDI-IIについても終了後3ヶ月時点を含めた分析では有意な差はみられなかった。質的分析からは、終了時点および終了後3ヶ月時点でも、認知再構成法、考えや気分などを表現するコミュニケーションスキルの活用、問題への対処法の工夫などを行っており、考え方の幅の拡大、重要他者に対する認知の変化、重要他者とのコミュニケーションの変化、日常生活行動の変化、気分の改善などの効果の継続がみられた。 (2010年6月、World Congress of Behavioral and Cognitive Therapiesにて発表予定)。 現在、引き続きデータを収集しており、今後も継続的な効果を検討するのと同時に、対照群を設けた効果の検証を実施する予定である。
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