2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護師が実施する外来女性うつ病患者への集団認知行動療法プログラムの効果検証
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20592690
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 佳詠 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60276201)
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Keywords | うつ病 / 認知行動療法 / 集団療法 / 女性 / 精神科看護師 / 外来看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、精神科看護師が実施する女性うつ病患者に対する集団認知行動療法プログラムの効果を検証することを目的とする。今年度まで、プログラム前後と終了後3ヶ月、6ヶ月時点での効果について、量的・質的な分析方法を組み合わせたMixed Methodによる検討を行った。 2006年4月~2010年6月までの参加者62名に対して、プログラム前後でベック抑うつ質問票・第2版(BDI-II)、自動思考質問紙短縮版(ATQ-R)、非機能的態度尺度日本語版(DAS24-J)を実施した結果、いずれの尺度も有意な差がみられた(t=6.96,p<0.01;t=3.34,p<0.01;t=3.2,p<0.01)。そのうち21名について終了後3ヶ月時点でも同様の尺度を測定し、BDI-IIは有意な差がみられたが(χ^2=8.4,p<0.05)、ATQ-R、DAS24-Jは有意な差がみられなかった。さらに13名について終了後6ヶ月時点でも同様の尺度を測定し、どの尺度も有意な差はみられなかった。 継続比較分析法による質的な分析では、終了後3ヶ月時点でも、<とらわれた考えと距離をとる><別の考えを試みる>などの《認知の知識・スキルの活用》、<対処法の工夫><自己表現のスキルの活用>などの《行動の知識・スキルの活用》をしていた。それらにより<考え方の幅がひろがる><重要他者に対する見方の変化>などの《認知の変化》、<重要他者とのコミュニケーションの変化><日常生活の変化>などの《行動の変化》、また《気分の改善》などがみられた。 量的・質的な分析結果から、終了後のみならず終了後3ヶ月時点においても認知・行動の知識・スキルの活用により認知・行動の変化、気分の改善などは示唆されたが、今後データを蓄積し継続的に分析する必要はある。また、効果の継続のためには、ブースターセッションを設けることも必要と考える。
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