2010 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞による樹状細胞の機能抑制における責任遺伝子の同定と臨床応用
Project/Area Number |
20599001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大西 康 東北大学, 病院, 助教 (10509574)
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Keywords | 樹状細胞 / 制御性T細胞 / Foxo3a / Foxp3 / CTLA-4 |
Research Abstract |
我々は制御性T細胞がCTLA-4を介して樹状細胞(Dendritic cell,DC)を抑制することを報告した。その後、CTLA-4刺激によるDCの抑制性の変化には転写因子FoxO3aが関与することが報告された。しかし、ヒトのDCにおいてFoxo3aがどのような役割を果たしているかは不明である。そこで、ヒトDCにおけるFoxO3aの働きを解明することを目指した。まず、成人末梢血および臍帯血からCD14陽性単球を分離し、GM-CSFとIL-4によりDCを調整した。次に、ヒト単球由来DCにおけるFoxO3aの発現をmRNAおよび蛋白レベルで確認した。ヒトDCのFoxo3a発現に影響する分子を探索したところ、LPS刺激で経時的にFoxo3aの発現が上昇した。DCの活性化にFoxo3aが関与する可能性が示唆された。次に、siRNAを用いてヒトDCのFoxO3aをノックダウンし、DCの生存やT細胞増殖能に与える影響を検討した。FoxO3aのノックダウンにより、培養後のDCの生存率がコントロールと比較して上昇した。一方で、T細胞の増殖割合に関しては、Foxo3aをノックダウンしたDCとの共培養で低下した。以上の結果から、Foxo3aはヒトDCにおいて活性化や成熟に重要な役割を果たしていること、一方で生存そのものには抑制的に作用する可能性があることが示唆された。これらの研究を進展させ、ヒトDCの機能調整に関与する分子およびメカニズムを同定し、新たな免疫療法の開発につなげていく予定である。
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Research Products
(4 results)