2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全における細胞膜イノシトールリン脂質の役割
Project/Area Number |
20599003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
今井 由美子 Akita University, 医学部, 教授 (50231163)
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Keywords | インフルエンザ / イノシトールリン脂質 / 急性呼吸不全 |
Research Abstract |
本年度は、(1)イノシトールリン脂質(PIs)関連酵素欠損マウスの樹立ならびに(2)高病原性インフルエンザ不活化ウイルス、組換蛋白およびウイルス様粒子の調製、(3)それら(1)(2)を用いたin vivoマウスICUモデルによる解析を中心に検討を行った。(1)では、PIPase, PIK3C3, あるいはPIPK IIIのマクロファージ特異的遺伝子欠損マウスを作製し交配を進め、実験に必要なマウスを準備した。(2)では、「1918年スペイン風邪」ウイルスのHAおよびNAが発現しているウイルス様粒子(VLP)を作製した。これはヒト293T細胞にHIV-1 gagとスペイン風邪ウイルスのHAおよびNAのプラスミドを遺伝子導入したものである。このVLPは、マクロファージからのROSならびに炎症性サイトカインの産生を亢進させ、またマウス肺に投与するとHAおよびNAを発現していないコントロールのVLPに比較して呼吸不全が重症化することがわかった。さらに、(3)では、これら(1)(2)を用いて、in vivoマウスICU重症呼吸不全解析系で表現型を解析した。これらの検討から、イノシトールリン脂質代謝系がインフルエンザの呼吸不全に重要な役割を果たしている可能性をつかんだ。現在そのメカニズムを含めさらに解析を進めている。
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Remarks |
基盤C
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