2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20599007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浜村 和紀 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00422767)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / メラノーマ / 血液型抗原 / 糖タンパク質 / 糖脂質 / ガングリオシド / ラフト |
Research Abstract |
ヒト口腔扁平上皮癌細胞株7種類における糖脂質、糖タンパク質の発現プロファイルをFACSを用いて明らかにした。その結果、高発現で特異性の高いガングリオシドは認められなかった。一方、血液型抗原であるLewis a, Lewis b, Lewis x, Lewis y, blood type 2Hなどが発現していることが判明した。また、口腔扁平上皮癌患者の病巣部では、正常組織と比較して、Lewis y, blood type 2Hの発現が高くなっていることがわかった。その分子メカニズムに関しては、現在調査中である。 ヒトメラノーマ細胞では、ジシアリル糖脂質であるGD3がp130Cas, paxillin, FAKを介して、細胞増殖能、浸潤能を亢進させるということを以前報告してきたが、今回、さらにGD3の発現により、種々の細胞外基質(ECM)への接着能が亢進し、インテグリンのノックダウンを行うと、増殖、浸潤が大きく低下することが判明した。一方、メラノーマ細胞にモノシアリル糖脂質であるGM1合成酵素遺伝子を導入し、GM1を発現させると、細胞浸潤能、増殖能、移動能が低下し、癌の悪性形質が軽減することが判明した。そのメカニズムとして、GM1合成酵素の発現により、脂質ラフト画分に存在していたGD3が, 非ラフト画分に拡散すること、p130Cas, FAK, paxillinといったfocal adhesion pathwayに関与する分子群のリン酸化レベルの低下が示された。また、ショ糖密度勾配法で分離した脂質ラフト画分と非ラフト画分のGD3をmass解析した結果、GM1合成酵素の発現により、非ラフト画分に移動したGD3では、不飽和脂肪酸が増加していることが示された。
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Remarks |
基盤C
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Research Products
(4 results)