2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20599007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浜村 和紀 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00422767)
|
Keywords | 口腔扁平上皮癌 / メラノーマ / 血液型抗原 / 糖タンパク質 / 糖脂質 / ラフト / Srcファミリーキナーゼ |
Research Abstract |
ヒト口腔扁平上皮癌細胞株では、Lewis yおよびtype 2Hが高発現していることが判明した。そこで、口腔扁平上皮癌患者23例および白板症と臨床診断され、病理診断において上皮に異型成が認められると診断された患者14例におけるこれらの発現を免疫染色にて検討した。その結果、口腔扁平上皮癌患者では、type 2Hが100%、lewis yが91.3%認められた。また、上皮異形成をもつ患者の病理組織では、type 2Hは、92.9%、Lewis yは78.6%の病理組織に認められた。Lewis yおよびtype 2Hにおける口腔扁平上皮癌の悪性形質獲得の分子メカニズムについては、現在検討中である。 また、私たちは難治性の口腔癌であるメラノーマの増殖機構解明のため、GD3欠損メラノーマ細胞の遺伝子操作に基づいて、メラノーマ細胞のジシアリル糖脂質GD3がp130Cas、paxillin、FAKのチロシンリン酸化を亢進して癌悪性形質を増強すること、モノシアリル糖脂質GM1の発現がそれらのリン酸化レベルを低下させ、癌悪性形質を減弱させることを明らかにしてきた。そこで、今回、私たちは、新たに、Srcファミリーキナーゼのメラノーマの悪性形質獲得への関与について検討した。メラノーマでは、Yes, Fyn, Src, Lynが発現していて、これらの分子に対するsiRNAを用いた実験により、Yesのみが、GD3発現(+)メラノーマ細胞の悪性形質に関与していることが判明した。そのYesは、GD3依存的に活性化し、その結果、細胞増殖および浸潤能を亢進させること、その機序としてYesの細胞内局在の変化がGD3依存的に惹起されることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)