2008 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラ菌感染における腸管上皮バリア維持とサイトカインシグナルのクロストーク
Project/Area Number |
20599015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
稲垣 匡子 University of the Ryukyus, 分子生命科学研究センター, 研究員 (70363588)
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Keywords | サルモネラ / 腸管バリア / ジャンクション分子 / サイトカイン / 上皮細胞 / IEL |
Research Abstract |
マウスのS. typhymurium腸管感染モデルを用いて、消化管感染による上皮粘膜細胞間でのジャンクションおよびサイトカインシグナル伝達制御や両伝達機構のクロストークおよびその破綻、並びにその破綻を補償するIELのE-cadherin発現の意義を検討することにより、腸管バリア機構と宿主免疫応答の制御機構の解明を目的とする。平成20年度は、消化管上皮細胞特異的(T3b-)E-cadherinおよびSOCS3 conditional knockout(cKO)マウスの機能解析を行なった。T3b-SOCS3 cKOマウスはTh1型腸炎の自然発症が認められ、TCRγδIEL数が減少していた。一方、T3b-E-cadherin cKOマウスではT3b-SOCS3 cKOマウスほどの腸管障害は認められず、Th2型サイトカインの産生が優位であった。T3b-SOCS3 cKOマウスではジャンクション分子の中でE-cadherinの発現低下が顕著であり、腸管バリア機能が脆弱であった。S. typhymurium感染系において、T3b-SOCS3 cKOマウスはTh1型免疫応答が優位であるにもかかわらず、T3b-E-cadherin cKOマウスに比べ、S. typhymuriumに対し高い感受性が示された。現在さらにこれら2種類のマウスを用い、サイトカインシグナルとジャンクション分子シグナルの共通点、相違点を調べ、サルモネラ感染における変化を検討中である。
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Remarks |
基盤C
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