2010 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラ菌感染における腸管上皮バリア維持とサイトカインシグナルのクロストーク
Project/Area Number |
20599015
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
稲垣 匡子 生理学研究所, 生理学研究所, 特任助教 (70363588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 吾朗 琉球大学, 教授 (30229455)
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Keywords | 腸管上皮間T細胞 / 腸管上皮バリア / 腸管寄生細菌 / ジャンクション分子 / サイトカイン |
Research Abstract |
腸管上皮細胞はジャンクション分子を介して結合し、細胞極性をもつ機能的な腸管上皮バリアを形成することで、生体防御の第一線の役割を担っている。腸管感染性細菌は腸管上皮細胞に感染後増殖し上皮バリアの破綻をまねくことが広く知られている。サイトカインは、その詳細なメカニズムは不明である。 多くのサイトカインがS.typhimurium感染に対する防御に関与することが報告されている。特に腸管感染の場合は、初期感染が成立する腸管で発現が増加するサイトカインとしてIFN-γ、IL-17およびIL-22が報告されている。IFN-γの欠損マウスではS.typhimurium経口感染後の脾臓内菌数が増加することが報告されており、これはPPやMLNなどのリンパ組織から全身への菌の播種をIFN-γが抑制することを示唆しているが、初期感染部位である腸管での役割については明確になっていない。本年度はサルモネラ菌に対する腸管感染防御機構としてIL-17Aおよびそれにより誘導されるβ-ディフェンシン3の即時的防御、その後T細胞から産生されるIFN-γによる自然免疫と獲得免疫が誘導され、腸管防御免疫が成立し腸管粘膜バリア保護に働くことを明らかにした。
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