2009 Fiscal Year Annual Research Report
大学における自校教育の導入実施と大学評価への活用に関する研究
Project/Area Number |
20600002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大川 一毅 Iwate University, 評価室, 准教授 (20267446)
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Keywords | 自校教育 / 初年次教育 / 高等教育 / 大学教育 / 大学史 / 大学評価 |
Research Abstract |
平成21年度研究においては、前年度に実施した「大学における自校教育の導入実施状況」調査の分析をさらに進め、また先導的事例となる大学を訪問調査した。 前年度の研究において自校教育授業実施上の課題として「授業内容の整合性」、「授業目的や到達目標の設定」等があることを把握していた。これをふまえ本年度研究では、自校教育授業の「到達目標」について実施授業のシラバス検証を進めた。その結果「到達目標」として「自学の目的・理念・使命を理解し、これを説明できる」、「自校の歴史・沿革を理解し、これを説明できる」、「自学が果たしてきた役割を理解し、これを説明できる」、「自らが学ぶ方向性や将来を考える指針を形成する」、「大学での学び方を身につける」、「大学で学ぶことの意義を見出す」、「大学における学習意欲を高める」等が多く提示されていることが明らかとなった。 自校教育と「学士力育成」との関係でいえば、調査結果において「社会情勢や自然、文化の理解」の回答が最も多く、これに「倫理観」、「論理的思考力」、「課題解決能力」、「チームワーク・リーダーシップ」と続いた。これらについては、自校教育授業が自学の理念・目的の周知をふまえて養成しようとする人間像に言及し、またキャリア教育も含め自己探究機会の提供という授業意図があることに関係していた。 自校教育における今後の課題としては、授業の到達目標に対し、いかに整合性をもつ内容と方法で授業を展開し、妥当性のある学習評価を実施するかにある。 これら平成21年度における研究結果の一部は、「大学教育学会誌 第31巻(大学教育学会:2009年5月)」及び「大学時報 第58巻(日本私立大学連盟:2009年9月)」に掲載している。また、毎日新聞(2009年10月22日東京夕刊)及び西日本新聞(2010年2月22日朝刊社説)に研究結果やデータが引用報道されている。
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Research Products
(4 results)