2009 Fiscal Year Annual Research Report
PDCAサイクルに基づくFDカリキュラムの開発研究
Project/Area Number |
20600013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡田 佳子 Nagasaki University, 大学教育機能開発センター, 准教授 (40363345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 量久 長崎大学, 大学教育機能開発センター, 教授 (90448499)
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Keywords | FD / 高等教育 / PDCA / 開発研究 |
Research Abstract |
本研究の基本的な枠組は、FDの対象分野を(1)授業(教員対象)-(2)カリキュラム(部局対象)-(3)組織(大学全体)の三つのレベルに分け、各レベル毎に要求されるFDプログラムを開発することである。この中で、本年度は(1)授業を担当とする各教員に対象を当てたFDプログラムの開発を中心的に行った。教員を対象としたFDは主に授業改善を目的とするプログラムであるが、このレベルのFDは、授業を実施するプロセスの中で求められる諸スキルの養成に焦点が当たり、分野が異なっていてもその内容には共通性があり、全学的な規模でもFDが展開しやすい。 次に、(2)カリキュラムレベル及び(3)組織レベルのFDについては、今後に課題を残した。 まず、(2)カリキュラムレベルについては、学士課程カリキュラムの場合、全学教育(教養教育)カリキュラムと専門教育カリキュラムに分けられる。全学教育の場合は、科目区分単位でのFDは可能であるが、カリキュラム全体を見通したFDの実施は困難である。また、専門教育の場合は、学部自治が強いこともあり(これは事例校が国立大であることにも起因する)、カリキュラム改善を目的としたFDを実施するには、大学全体の教育改善についての方針を固めていく必要がある。また、(3)組織レベルの場合も同様に学部自治の影響や各学部ごとの組織文化の違いなどがあるために共通のFDを展開することが難しく、学部を越えた大学全体の教育改善の方針を学内の中にいかに醸成するかが課題であることが明らかになってきた。 そのため、来年度は、(2)カリキュラムレベルと(3)組織レベルでの教育改善を大学全体の方針として実施するための取り組みが求められる。
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