2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体EP3を介したブラジキニンB2受容体の脱感作減弱機序
Project/Area Number |
20602007
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
小崎 康子 Kinjo Gakuin University, 薬学部, 准教授 (20126882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 弥生 金城学院大学, 薬学部, 教授 (00117847)
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Keywords | プロスタグランジンEP3受容体 / ブラジキニンB2受容体 / 脱感作 / 痛覚過敏 / インターナリゼーション |
Research Abstract |
内因性痛み物質であるブラジキニン(BK)を繰り返し投与するとBK B2受容体の脱感作がおこる。プロスタグランジンE2はEP3受容体を介してこの脱感作を減弱し、結果として痛みの増強をおこす。本研究は、このEP3受容体を介したBK B2受容体の脱感作の減弱、すなわち痛みの増強を導く細胞内メカニズムを解明することを目的とし、今年度は、BK誘起性のB2受容体のインターナリゼーションとB2受容体を介したBK分子自身の細胞内移行とに注目した。 緑色蛍光蛋白質(GFP)でタグ付けしたB2受容体とEP3受容体を一過性に共発現する培養細胞系において、細胞膜部分に観察されるGFP由来の蛍光強度は、BK投与開始5分後から有意に減少した。BKによる細胞内カルシウム上昇反応は、投与開始45秒後に最大となるので、BK誘起性のB2受容体のインターナリゼーションはより遅い過程であることがわかった。また、このB2受容体のインターナリゼーションは、EP3アゴニストONO-AE-248前投与(BK投与3分前)あるいはプロテインキナーゼ(PK)A阻害剤H-89による前処置(BK投与前20分間)によって抑えられた。 GFP-B2受容体とEP3受容体を安定的に共発現するCHO細胞株において、[3^H]BKを10分間投与した場合にB2受容体を介して細胞内に移行するBKの割合は、H-89による前処置により減少した。BKを結合した尼2受容体がインターナリゼーションする過程にはPKAの活性化が関与することが強く示唆された。本報の結果は、EP3アゴニストがGi/cAMP-PKA系を介してBK誘起性のB2受容体のインターナリゼーションを抑制し、BK反応の脱感作の程度を減少させる、すなわちBK反応を増強する可能性を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)