2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動が不活動による痛みの発生・予防に与える影響を探る
Project/Area Number |
20602008
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
肥田 朋子 Nagoya Gakuin University, 人間健康学部, 准教授 (20223050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 洋光 名古屋学院大学, 人間健康学部・人間健康学部, 講師 (50367877)
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Keywords | 不動化ラット / 疼痛閾値 / トレッドミル走 / 先取り鎮痛 |
Research Abstract |
昨年度作成したギプス固定による不動コントロール群、ストレッチ群およびトレッドミル群から摘出したひらめ筋およびL4~L6後根神経節細胞の組織学的検討を進めた。ひらめ筋の筋線維はタイプI、II線維ともに不動化に伴って萎縮していたが、ストレッチ群、トレッドミル群においては萎縮の程度が有意に抑制されていた。またトレッドミル群ではストレッチ群よりも有意に萎縮が抑制されていた。壊死線維数はノーマル群に比べて増加していたものの、コントロール群と差はなかった。一方、神経節細胞における痛みの伝達物質であるサブスタンスP(SP)の発現数は、トレッドミル群とコントロール群でノーマル群より、より小型の細胞で発現割合が増加しており、行動学的な評価において、トレッドミル群が早期より痛みを惹起していた結果は、SPが細い神経での伝達に関与している可能性を示すものと考えられた。 昨年度実施した疼痛行動評価による疼痛閾値の変化からトレッドミル群の走行強度が強い可能性があったため、今年度は先取り鎮痛を意識して不動化前の1週間に運動を設定し、不動化による関節可動域、疼痛閾値の変化を経時的に測定した。また、今年度は腓腹筋の圧痛閾値も測定した。実験終了時には、両側ヒラメ筋を取り出し、筋湿重量測定の後、横断凍結切片作成用ブロックを作成した。さらに潅流固定後、L4~L6後根神経節を取り出して包埋した。 今年度の実験より、疼痛閾値は皮膚のみではなく、筋においても低下していることが明らかとなった。また足底皮膚および腓腹筋における疼痛閾値の低下は、不動化状態に陥る前にトレッドミルを行うことで、ある程度予防することができた。今後、筋および神経の組織像に関しての解析を進める。
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Research Products
(4 results)