2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疼痛を有する脊椎圧迫骨折に対する椎体形成術の除痛機序の実験的解明
Project/Area Number |
20602010
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
谷川 昇 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (90227215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄村 裕三 関西医科大学, 医学部, 助教 (70298868)
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 講師 (40368220)
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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Keywords | 疼痛学 / 圧迫骨折 / 椎体形成術 |
Research Abstract |
実験的椎体圧迫骨折モデルの作成および、圧迫骨折に対する治療後の評価指標の確立を目的として以下の動物実験を施行した。まず、ブタAに対して全身麻酔下にX線透視ガイド下で第3, 4, 6腰椎に圧迫骨折類似モデルを作成した。すなわち、目的椎体に対して経皮的に11Gのメタルエレベーターを経椎弓根的に挿入し、椎体内でメタルエレベーターを拡張することにより椎体内の骨梁を破壊し圧迫骨折を作成した。その直後にMRI(T1強調画像、T2強調画像の軸位断と矢状断)を撮像し、第3, 4, 6腰椎の椎体内に骨髄内浮腫の存在および出血が確認された。このことより経皮的に椎体圧迫骨折が作成できることが確認された。次いでブタBに対してブタAと同様の方法で第3, 4, 5腰椎に圧迫骨折を作成後、椎弓根経由で13G骨生検針を目的椎体に挿入し、PMMA系骨セメントをそれぞれの椎体にX線透視下で注入した。その直後にMRIを撮像し、目的椎体の圧迫骨折とその椎体内部に骨セメントの存在を確認した。ブタA,Bともに術後8日間の経過観察を行った。その際の治療効果の判定を目的として、以下の6項目について観察した。すなわち、活動性、覚醒時の姿勢、食欲、排便、排尿状態、および毛並みについて毎日VASスコアを用いて評価した。その結果、手技翌日にブタA(無治療)に活動性、食欲の低下が認められるとともに、姿勢及び毛並みに異常が認められた。このことより、圧迫骨折に対して骨セメント治療の有無により術後経過に差異が生じており、この判断基準を疼痛緩和のひとつの指標として使用できるものと考えられた。
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