2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疼痛を有する脊椎圧迫骨折に対する椎体形成術の除痛機序の実験的解明
Project/Area Number |
20602010
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
谷川 昇 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (90227215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 講師 (40368220)
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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Keywords | 疼痛学 / 圧迫骨折 / 椎体形成術 |
Research Abstract |
椎体圧迫骨折における経皮的椎体形成術の除痛機序の解明を目的として以下の実験を施行した。まず、2頭の豚(ブタA,およびブタB)に対して実験的圧迫骨折を作成した。すなわち、全身麻酔下にX線透視ガイド下で経皮的に13G骨生検針を椎体内に挿入し、その生検針の中をガイドワイヤーを通過させた。次いで、このガイドワイヤー誘導下に4mm経2cm長のバルーンカテーテルを挿入し、バルーンを椎体内の位置で拡張させて圧迫骨折を1頭の豚について3椎体ずつ作成した。ブタNo.01に対しては実験的に作成した圧迫骨折椎体内に径0.035インチのステンレススチール製のコイルスプリングを挿入し、骨折部の固定を行った。ブタNo.02に対してはPMMA系の骨セメントを圧迫骨折椎体内に注入し骨折部の固定を行った。異なった治療を施行した2頭の豚について除痛効果の違いを以下の方法で評価した。すなわち、ブタNo.1,No2ともに術後7日間の経過観察を行った。その際の治療効果の判定を目的として、以下の6項目について観察した。すなわち、活動性、覚醒時の姿勢、食欲、排便、排尿状態、および毛並みについて1,3,5,7日後にVASスコアを用いて評価した。その結果、手技翌日および3日後の段階で、活動性、およぶ毛並み(見かけ上の元気さ)が、ブタNo1(金属コイルによる固定)のほうがブタNo2(PMMAにて固定)に比べて良好であった。しかしながら、4日目以降では差は認められなかった。このことより、圧迫骨折に対して初期除痛効果は金属コイルによる固定が優れるが、4日以降は骨セメント治療と同等になることが判明した。
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Research Products
(2 results)