2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20602018
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
由比 友顕 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (60330982)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笛田 由紀子 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (10132482)
上野 晋 産業医科大学, 医学部, 講師 (00279324)
|
Keywords | 反復経頭蓋磁気刺激法 / rTMS / 神経因性疼痛 / von Freyフィラメント / Plantar試験 |
Research Abstract |
本年度は神経因性疼痛モデルマウスへの反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の作用を検討した. 【方法】(1)ddYマウス群(20週齢)の左坐骨神経を1/3-1/2結紮し神経因性疼痛モデル(Seltzer法)を作製した。まず4週間各マウスの機械的非侵害刺激に対する反応をvon Frey試験で、熱痛覚刺激に対する反応をplantar試験で評価した。5-13週目にrTMS群(n=8)は週の前半2日間にrTMS(運動閾値の120%の強度、20Hz,1000発刺激/日)を、コントロール群は10分間の身体拘束をおこなった。週の後半にvon Frey試験、plantar試験をおこなった。 【結果】(1)von Frey試験:コントロール群、rTMS群ともに術後10週までは結紮側(左)の逃避閾値(0.5-0.9g)は有意差をもって健側(右:1.1-1.3g)よりも低下したが、13週目には有意差は消失した。rTMS群での結紮側の閾値はrTMS前が0.68±0.33g、rTMS刺激後が0.68±0.27gにて変化はなかった。健側はrTMS前後での変化はなかった(前1.53±0.63g、後1.18±0.35g)。コントロール群でも結紮側、健側ともに拘束前後での逃避閾値の変動はなかった。(2)Plantar試験:コントロール群、rTMS群ともに術後13週までは坐骨神経結紮側(左)の閾値(3.4-3.9秒)は有意差をもって健側(右:6.0-6.5秒)よりも短縮していた。rTMS群での結紮側の閾値はrTMS前が3.4±0.7秒、rTMS刺激後が3.4±0.4秒にて変化はなかった。健側はrTMS前後での変化はなかった(前6.1±0.92秒、後6.0±0.6秒)。コントロール群でも結紮側、健側ともに拘束前後での逃避閾値の変動はなかった。 【考察】今回のrTMSの刺激条件では、rTMSは神経因性疼痛に対しては影響を与えなかった。週2回の刺激回数が不十分であった可能性があること、刺激を人での検討を参考に20Hzの高頻度としたが低頻度での作用などにつき次年度は刺激条件を変更してrTMSによる神経因性疼痛抑制の可能性を検討する。
|