2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本とオーストラリアにおける子育て期の仕事と生活の再構築に関する比較研究
| Project/Area Number |
20604008
|
|---|
| Research Institution | Konan University |
|---|
Principal Investigator |
中里 英樹 甲南大学, 文学部, 教授 (10309031)
|
|---|
| Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 仕事と生活 / オーストラリア / 父親 / 子育て / 労働 / 国際研究者交流 / ジェンダー |
|---|
| Research Abstract |
「子育て期の男女の仕事(市場的活動)と生活(非市場的活動)のあり方とそこに現れる問題の検証を通して、仕事と生活をめぐる社会的な秩序の新たな方向を探る」という研究目的に照らして、本年度実施した主な研究活動は次のようにまとめられる
1. 日本の職場における仕事と生活の調和に関する調査
日本の企業におけるインタビューの実施、ワークショップの主催や参加を通じて、ダイバーシティ・マネージメントや子育て支援の現状について情報を収集した。その一部についてはシンポジウムで紹介し、記録として公刊した。2011年度に追加調査を行う予定である。
2. オーストラリアの仕事と家族および子育て支援の研究
オーストラリアの子育て支援について前年度に行った現地調査およびその後の追加収集資料の整理を行った。その結果明らかになったのは、(1)南オーストラリア州における行政組織間のサービス窓口を統合する先進的な取り組み、および継続的な父親の子育て参加支援の仕組みに、(2)連邦政府による統合的な金銭的支援のしくみである。その成果を論文としてまとめた。
また、オーストラリアの仕事と生活の関連に関する研究の第一人者の一人であるバーバラ・ポーコック(南オーストラリア大学)の著書の翻訳出版を通じて、同テーマに関する研究成果の理解を進めると同時に、原著出版後の労働政策・保育政策の変化について整理し「訳者あとがき」としてまとめた。このようなオーストラリアの施策の統合性は、日本の子育て支援策の改善の方向性を考えるうえで非常に示唆的なものである。
|
