2009 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞者の身体状況に応じて鑑賞物の情報を提供できる博物館ガイドの開発
Project/Area Number |
20605001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山下 淳 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80345157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛岡 英明 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (10241796)
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Keywords | 博物館ガイド / 位置情報システム / ユビキタス |
Research Abstract |
本年度は、複数の鑑賞者を認識するためのシステム開発と、認識した鑑賞者に応じて博物館ガイドから出力される説明内容を変更するシステムを開発した。また将来、展示物を説明する学芸員の代わりにロボットが利用されることを見越し、上記のシスケムを用いてロボットがグループ鑑賞している人たちに対して、個別に質問するシステムを開発した。 開発したシステムは、鑑賞者の頭部に取り付ける赤外線マーカ、ロボットに内蔵された赤外線認識システム、および鑑賞者に鑑賞物の情報を提供するPDAから構成される。赤外線マーカから発信される信号は、鑑賞者固有のパターンになるよう設定されているため、画像処理でマーカを追跡することにより、どの鑑賞者がどの位置にいるのかを容易に認識することが可能である。従って、特定の人物に向かって手や顔を向けるといった動作が行える。 質問方法についてはいくつかの方法を試みたが、あらかじめ登録された名前を発話しながらその人の方を向き、指さししながら質問する方法が一番好印象であることがわかった。 また、この方法と従来の博物館ガイドのみで案内する方法とを比較すると、指さしし、名前を呼びかけて説明してくれるロボットを用いた条件の方が、鑑賞物に対する興味を喚起し、また事後テストにおいても鑑賞物に関する知識をより正確に覚えていることがわかった。 今年度行った実験は研究室内で模擬的に美術館を再現して行った実験であるため、来年度は美術館などに協力を依頼し、かつ複数のロボットや設問を容易ずることで統制群と比較群との間で優位な差が出るかどうかを確認するなど、有効性について検証したい。
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