2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい時代の博物館像と理工系博物館学の学芸員教育の在り方-工学系の視点から
Project/Area Number |
20605009
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊東 孝 Nihon University, 理工学部, 教授 (30287578)
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Keywords | 大学博物館 / 理工系博物館 / 工学系博物館 / 学芸員教育 / フィールドミュージアム / 世界遺産 / 近代化遺産 / 見立て博物館 |
Research Abstract |
1.工学系博物館:(1)『全国博物館総覧』から、理工系博物館リストを作成した。館種は9つに分類され、その中で「理工」は全4,004館中170館で、全体の4%であった。概要・収蔵品・展示内容の項目に着目すると、「歴史」「郷土」などの中にも理工系博物館とみなせる博物館が109館あり、あわせると計279館(全体の7%)となった。 (2)工学系博物館の新たな分類として、産業科学系・野外博物館系・社会基盤系・理工大学系・建造物系・工場見学・まちなみの7タイプを提案し、各4〜5事例を調査した。また日本大学理工学部学芸員課程「博物館実習I」受講生に、工学系博物館7タイプ31館(場所)を対象に、よい点、悪い点、改善点についてレポート作成を依頼した。「見立て博物館」としての工場見学では、実寸大の実物や稼働状況を見られること、地域との関係を周辺環境から感じられるなどの長所があり、ガイドブック作成や資料館併設の工夫をすれば、魅力的なミュージアムになり得ることを考察した。 2.フィールドミュージアム:(1)2つの民家園にヒアリングをおこない、ボランティアの問題点を抽出した。 (2)新しいミュージアムとして、次に述べる近代化遺産群等を、県境を越えた広域システムとして連携させることで、遺産の意味内容を深め、地域との関係性を明確にした。(1)八幡製鉄所(福岡県)・女子畑発電所(大分県)、(2)渡良瀬川上・中・下流の足尾銅山(栃木県)・草木ダム(群馬県)・渡良瀬遊水地(栃木県) 3.大学博物館と学芸員教育:『全国大学博物館学講座開講実態調査報告書』(全国大学博物館学講座協議会)、『日本の大学博物館』(トータルメディア開発研究所)、『日本ユニバーシティ・ミュージアム総覧』(緒方泉)から、(1)理工系大学博物館27館(15大学)、(2)学芸員課程を有する理工系大学25大学を抽出し、リスト化した。(1)(2)とも該当したのは13大学であった。
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