2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20605011
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川村 健一郎 Ritsumeikan University, 映像学部, 准教授 (70454501)
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Keywords | 映画マネジメント / 映像学芸員 / 博物館・美術館 / 地域活性化 / コミュニティシネマ |
Research Abstract |
3年度にわたる本研究プロジェクトの2年目にあたる本年度は、初年度に引き続き、博物館学、文化政策学に関わる文献を収集し、博物館学における「映像」一般の位置づけについての研究を進めた。また、8月には、コミュニティシネマ活動の現状を把握するべく、コミュニティシネマ活動に従事する全国のミニシアター、博物館・美術館、アートセンター、映画配給会社などを招いたシネマ・マネジメント・ワークショップを開催した。ここでは、「デジタルシネマ」の登場によって、フィルムに頼らないDLP上映が普及しつつある中、経営基盤の脆弱な地域の映画館が巨額な設備投資を必要とするDLP導入にどのように対処していくのか、そうした地域の映画館の現状に対して、博物館が映画にどのように関わることができるのか、すなわち、博物館が地域の映画文化資源をどのように活用し、「アウトリーチ」活動として、地域の映画関係団体とどのような共同事業を展開していけるのか、またそうしたネットワークをどのように構築していけるのかを議論した。さらに、初年度に引き続き、「映像学芸員」構想に関わる課題の検討として、コミュニティシネマセンター、他の主催による「全国コミュニティシネマ会議」(会場:川崎市アートセンター)における分科会「映像学芸員/映像アート・マネージャーの育成…テキストをつくる」にパネリストとして参加、「映像学芸員」のあり方を、これまでの学芸員制度に依拠するのではなく、広くアート・マネジメントの文脈に位置づけつつ、人材育成を目的としたテキスト作成の必要性、フィルム・アーカイヴと専門家など、様々な問題点について討議を行った。最終年度はこれらの成果をもとに、論文を執筆する。
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