2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どものための展示開発―自然史博物館にふさわしい展示と展示プラン―
Project/Area Number |
20605018
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
大島 光春 Kanagawa Prefectural Museum of Natural History, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部兼学芸部, 主任学芸員 (70300960)
広谷 浩子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (10205099)
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (60416047)
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Keywords | 子ども / 自然史 / 展示 / 体験 |
Research Abstract |
本研究では対象を特に"子ども"に絞って、展示という博物館がもっとも得意とするメディアを活用して、自然への興味を喚起する方法を研究し、自然史博物館にふさわしい展示を開発することを目的とする。展示が、子どもとフィールドとを結び、自然史科学への入り口となるような展示プランを作成して成果とする。 H21年度は国内の他博物館における"子どものための展示"事例調査を継続し、各館の方向性や手法を検討した。当館特別展「木の洞をのぞいてみたら-樹洞の生きものたち-」において、体験的展示を試行した。 事例調査では、昨年度に続き歴史系博物館や自動車博物館も含め、科学館、総合博物館、自然史博物館、大型児童館等20以上の館を訪れた。また、大手展示業者も訪問し、展示デザインや展示装置のデモンストレーション、ディスプレイ用材料のライブラリなどを見学した。照明製作会社のレクチャーを受ける機会もあり、フィルターを使った色温度の変換等の実習を行えた。これらの経験も加味して、次年度に向けて、調査結果から上記目的の達成に有効な要素を取り出すため、分析を行っている。 特別展「木の洞を~」においては、本編の内容に関連させた3つの体験的展示からなる子どものための展示「樹洞であそぼう!」を制作した。「のぞいてみよう!」は特別展のメイキング画像デジタルフォトフレームでスライドショーにした。「ぬりえdeおめん」は、特別展ポスターの作者・菊谷詩子氏の手によるムササビ他全4種類のぬり絵を楽しんでもらい、家ではそれをはさみで切り抜いてお面を作れるようにした。「ムササビ飛んでみよう!」は飛行中のムササビの視線(自主製作のロープウェイ)で撮影した映像をモニタに写しだし、着ぐるみを着てうつぶせになって見ると風が送られてくるものである。この試行を通じて、身近な機材の活用、遊びを通じた自然科学への興味喚起など、今後の開発に有効な経験とデータが得られた。
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