2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20605019
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
出川 洋介 Kanagawa Prefectural Museum of Natural History, 主任研究員 (00311431)
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Keywords | 菌類 / 分類学 / 微生物 / 博物館 / インベントリー / ボランティア / 標本 / データベース |
Research Abstract |
本研究の目的である菌類誌の編纂(菌類相調査の実施とその公表)に向け、博物館で県民ボランティア調査員グループを組織し、本年度は以下の実績があった。1.標本目録の作成:調査地で過去に採集された約5千点の標本を6群に分け、各群を担当する調査員を決め、班ごとに目録整備作業をスタートした。2.データシートの作成:国内外の菌類相調査シート例を参考にして、調査分類群ごとの調査シートを作成した。また、菌類誌に掲載予定の顕微鏡観察像を記録するためにUSB接続式顕微鏡写真撮影装置、ノートPCを購入し、操作性が良く精度の高い記録システムが確立された。3.現地調査:平成20年4月〜平成21年3月の各月、合計12回の野外調査が実施され、平成12年以後9年間継続するデータが蓄積された。本調査で得られた成果の一部(新規分類群)は学会発表、著作図書に用いた。4.ホームページの試行運用:調査員間の連絡のため、メーリングリストを整備、写真画像については非公開のHP上で情報交換が行われ、記録データや情報の共有化が調査効率を上げた。5.専門家への協力依頼:不完全菌、子嚢菌の分類を専門とする研究者(計3名)を招聘し、野外調査の協力を求めると同時に、調査員を対象とした講義、実習を実施した。また、変形菌門の標本(計約300点)について、調査員が仮同定をした後に、専門家に同定依頼を行った。これらにより、調査員自身の分類同定能力の向上が期待される。6.本研究の立ち上げに際し、過去の博物館ボランティアの活動、特に2006年の継続菌類相調査の結果に基づく菌類に関する特別展の記録を報文にまとめ、博物館活動におけるボランティアの意義について論じた。
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Research Products
(4 results)