2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20610001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 俊之 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (20324709)
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Keywords | 発生・分化 / 脳・神経 / 神経科学 / 再生医学 / 幹細胞 |
Research Abstract |
胎生期の神経幹細胞をHes1プロモーター:EGFPにより可視化したトランスジェニックマウスを用いて、脳の異なる発生段階(幹細胞増殖期、深層ニューロン産生期、浅層ニューロン産生期、グリア産生期)のGFP陽性幹細胞をFACSにより回収し、マイクロアレイを用いたGene Expression Profilingを行い、各発生段階特異的な遺伝子発現(新規遺伝子を含む)を網羅的に探索し、その継時的変化を解析した結果、各ステージにおいて著明な増減を示す遺伝子が多数得られた。 また、脳の異なる領域から回収したGFP陽性幹細胞の遺伝子発現の比較により、領域特異性を規定する遺伝子の探索を行った。脳の左右、領野を区別して回収し遺伝子発現を比較することにより、左右差・機能領野を産み出す遺伝子を探索した結果、胎生11日齢においては明らかな左右差を示す遺伝子は得られなかったが、終脳背側の前後で発現量の差を認める遺伝子が多数得られた。 同定された遺伝子の発現パターンをin situ hybridizationにより解析し、神経幹細胞の存在する脳室周囲帯において発現する遺伝子の中から候補遺伝子を絞って機能解析を行った。神経幹細胞の未分化性の維持やニューロン・グリア分化、対称分裂から非対称分裂への移行、深層ニューロン・浅層ニューロンへの特異化、脳の左右差・領域特異性の形成への関与等の機能を探るため、神経前駆細胞の培養系における遺伝子強制発現、In Utero Electroporation、siRNAを用いたノックダウン等を行い、一部の遺伝子の強制発現により、幹細胞の分化/遊走が抑制される結果が得られた。今後も候補遺伝子の機能解析を引き続き行う予定である。
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