2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20610001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 俊之 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (20324709)
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Keywords | 発生・分化 / 脳・神経 / 神経科学 / 幹細胞 / 再生医学 |
Research Abstract |
胎生期の神経幹細胞をHes1プロモーター:EGFPにより可視化したトランスジェニックマウスを用いて、脳の異なる発生段階(幹細胞増殖期、深層ニューロン産生期、浅層ニューロン産生期、グリア産生期)及び脳の異なる領域(胎生11日齢)のGFP陽性幹細胞をFACSにより回収し、マイクロアレイを用いたGene Expression Profilingを行い、各発生段階特異的及び脳領域特異的な遺伝子発現を網羅的に探索し、各ステージにおいて著明な増減を示す遺伝子や終脳前後部において異なる発現を示す遺伝子が多数得られている。 これら候補遺伝子の機能(神経幹細胞の未分化性の維持やニューロン・グリア分化、対称分裂から非対称分裂への移行、深層ニューロン・浅層ニューロンへの特異化、脳の左右差・領域特異性の形成への関与等)を解析するため、In Utero Electroporation法による強制発現実験を行い、いくつかの遺伝子において神経幹細胞からのニューロン分化或いは遊走を抑制する活性が確認された。これらの遺伝子のsiRNAを用いたノックダウン実験において神経幹細胞からのニューロン分化が促進されたことから、各発生時期において神経幹細胞維持に重要な機能を果たしていることが示唆された。 現在、Tetracyclin inducible systemを用いて、これらの遺伝子の発現を発生時期に応じて任意に制御可能なtransgenic mouseを作製し、更に詳細な機能解析を行っている。
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