2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20610002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 さとみ Osaka University, 生命機能研究科, 招へい教員 (90291153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 透 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50280962)
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Keywords | piRNA / 非コードRNA / レトロトランスポゾン / 幹細胞 |
Research Abstract |
MILIはマウスの生殖細胞で発現している遺伝子であり、精子形成に必須の遺伝子である。MILIが、マウス精巣の幹細胞維持においてどのように機能しているかを明らかにするために、遺伝子欠損マウスや精巣性幹細胞に相当するGS細胞(Germ stem cell)を用いて研究をすすめている。今年度は、MILI欠損マウスよりGS細胞を樹立し、その性状を調べた。その結果、MILI欠損GS細胞において、 (1)野生型GS細胞と増殖速度に差は認められなかった。 (2)レトロトランスポゾンIAPの転写産物の蓄積がみとめられたが、Line1は野生型との間に差がみとめられなかった。 (3)レトロトランスポゾンは通常、転写制御領域のDNAは、CpGがメチル化されているが、MILI欠損GS細胞においては、IAPの5'LTR部位のメチル化が低下していた。 MILI欠損マウスの精巣においては、IAPだけでなくLine1においても転写産物の蓄積とDNAメチル化の低下が認められるが、GS細胞においては、IAPのみの変化であった。原因は不明であるが、GS細胞樹立の際にLine1がメチル化されている一部の細胞が選択的に樹立されたと考えられる。現在は、変化の認められているIAPの領域におけるヒストン修飾についても違いがあるかどうかを調べている、 また、野生型とMILI欠損GS細胞におけるRNA転写産物の差をマイクロアレイを用いて行った。差がみとめられた転写産物の精巣性幹細胞における役割を解析中である。
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