2010 Fiscal Year Annual Research Report
Gemininのユビキチン化による造血幹細胞の活性制御機構の解析
Project/Area Number |
20610003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安永 晋一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50336111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10211799)
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
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Keywords | 再生医学 / ユビキチン化 / Geminin / ポリコーム複合体 / HOXB4 / 造血幹細胞 / E3ユビキチンリガーゼ / 自己複製 |
Research Abstract |
報告者らの研究グループは、造血幹細胞制御の二大内的因子とも位置づけられるポリコーム複合体1(Ring1B-Bmi1-Rae28-Scmh1)とHOXB4(HOXB4-Cul4a-Ddb1-Roc1)が共に、DNA複製ライセンス化制禦因子であり幹細胞の未分化性因子でもあるGemininに対するE3ユビキチンリガーゼとして働くことを生化学的な手法を用いて見出し、ここに記載された因子がすべて酵素活性の発現に必須であることを本研究で明らかにした。さらに造血幹細胞制御におけるGemininの役割をより直接的に証明するために、報告者らはGeminiのノックダウンを施したマウス骨髄細胞を用いてメチルセルロース法によるコロニーアッセイを行なった。その結果、Geminiinのノックダウンによりコロニー数が増加するとともに、一コロニーあたりの細胞数が著しく増加することを見出した。また報告者らは、致死的放射線照射を施したマウスに対する骨髄再構築実験により、レトロウイルスベクターにてGemininを過剰発現させた胎仔肝細胞では造血幹細胞活性が著しく低下することも見出しており、これらの結果によりGemininが造血幹細胞活性制御に中枢的な役割を果たしていることを証明することができた。さらに、報告者らは、造血幹細胞におけるGemininの動態を可視化するためにGeminin-EYFP融合遺伝子ノックインマウスを樹立することに成功した。本研究をさらに発展させることにより、自己複製を含めた造血幹細胞制御におけるGemininの役割が明らかになり、ev vivoでの造血幹細胞の増幅や発生誘導を可能にする技術の開発に貢献することが期待される。
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Research Products
(5 results)