2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20611002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐竹 真幸 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90261495)
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Keywords | 渦鞭毛藻 / 環状エーテル化合物 / 有機化学 / 絶対立体配置 |
Research Abstract |
赤潮渦鞭毛藻Karenia brevisから単離構造決定された、新規単環性エーテルアミド化合物ブレビサミドの全合成に世界に先駆けて成功した。ブレビサミドの6員環エーテル部は、2-ブテン-1,4-ジオールからオゾン酸化、クロチルホウ素化反応、ラクトン化を経て合成した。末端アミドは、クルチウス転位反応によりアミノ基を導入した後、アセチル化反応を行った。側鎖ジエナールフラグメントは、同様に2-ブテン-1,4-ジオールより合成した。合成したエーテル環部とヨードジエナールは、鈴木-宮浦クロスカップリング反応により連結した。脱保護後、アリルアルコールを選択的にアルデヒドへと酸化し、ブレビサミドの全合成を達成した。合成したブレビサミドの旋光度は、天然物の旋光度と同一の符号を示し、未決定であったブレビサミドの絶対立体配置の決定に成功した。 ブレビサミドは、前例の無いエーテル環アミド化合物であるため、その生合成過程にも興味が持たれたため、生合成機構解明を目指して、推定鎖状生合成前駆体の合成を試みた。側鎖フラグメントの改良合成を行った。メタクリル酸メチルより6工程でメチルケトンを合成し、メチルケトンに対してHorner-Waddsworth-Emmons反応を行い。不飽和エステルを合成した。E体をDIBAL還元してブロモジエノールフラグメントを得た。1,3-プロパンジオールより誘導した鎖状フラグメントと鈴木-宮浦クロスカップリング反応により連結後、脱保護、酸化により鎖状オレフィン前駆体の合成に成功した。本化合物は、これまで、未解明であった渦鞭毛藻由来梯子状ポリエーテル化合物生合成機構解明に向けた重要な化合物になることが期待された。
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Research Products
(4 results)