2008 Fiscal Year Annual Research Report
甲虫ルシフェラーゼの人工進化によるルシフェリン-ルシフェラーゼ反応の理解と制御
Project/Area Number |
20611005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大場 裕一 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (40332704)
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Keywords | 酵素反応 / ルシフェラーゼ / 人工進化 / ルシフェリン / ホタル |
Research Abstract |
初年度に計画したランダムミュータジェネシスの条件検討を行った。その結果、エラープローンPCRの際にマンガン濃度を低く抑えることで適度はエラー率(すなわち、遺伝子あたりアミノ酸数個の変異)を有する条件を設定することができた。ルシフェラーゼの起源は、脂肪酸CoA合成酵素であると考えられているので、実験には非発光性コメツキムシのサビキコリ(Agrypnus binodulus)のルシフェラーゼ・ホモログ遺伝子(AbLL)を材料とした。その研究過程で、AbLLに対し特定のアミノ酸変異が入ると発光活性が現れることが明らかとなり、ルシフェラーゼ人工進化への手がかりの第一歩が得られた(Oba et al., in press)。さらに、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のもっているルシフェラーゼ・ホモログ遺伝子(CG6178)に対して同じサイトへのアミノ酸変異を導入しても、同様の発光活性が現れた。これらの点突然変異体に対して適切な条件でのエラープローンPCRを行えば、より完全なルシフェラーゼの人工進化を達成することができるだろう。この点突然変異部位に関わるタンパク質の立体構造について、ホモロジーモデリング解析を行ったところ、導入された変異はルシフェリンと水分子を介して水素結合するサイトであることが分かった。すなわち、このサイトが変異することが脂肪酸CoA合成酵素からルシフェラーゼへ進化する際の鍵であることが考えられる。
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[Presentation] Evolutional2008
Author(s)
Y. Oba, S. Inouye
Organizer
Evolution 2008
Place of Presentation
University of Minnesota
Year and Date
2008-06-22
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