2010 Fiscal Year Annual Research Report
共生微細藻類の生産する長鎖ポリオール化合物の共生現象における役割の解明
Project/Area Number |
20611006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 修 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (20436992)
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Keywords | ケミカルバイオロジー / 共生 / ポリオール化合物 / 微細藻類 / 生物活性 / シンビオスピロール / 藍藻 |
Research Abstract |
主に共生系で生息する藻類が生産する二次代謝産物を対象として、その共生系での役割・機能の解明を目指した研究に着手した。 昨年に引き続き、沖縄県産のヒラムシに共生する渦鞭毛藻より単離した新規長鎖ポリオール化合物シンビオスピロールAのポリクローナル抗体を用い蛍光顕微鏡による渦鞭毛藻内局在部位の解析を試みた。さらに、このポリクローナル抗体を用いたシンビオスピロール結合分子の解析の条件検討も試みた。 また、沖縄県石垣市米原地区で採集した藍藻Lyngbya sp.より新規環状ペプチド、リングビアシクラミドを単離し構造を決定し、本化合物がマウス黒色腫B16細胞に対する強力な細胞毒性を有することを見出した。また、ヒト子宮頸癌HeLa S3細胞に対する選択的な増殖抑制活性を有するサンプルのスクリーニングを試み、沖縄県石垣市平久保地区で採集した種未同定の藍藻より新規チアゾール系化合物を単離し構造を解明した。また、沖縄県糸満市大度地区で採集した藍藻Leptolyngbya sp.より新規22員環マクロリド配糖体を、微量含まれる3種の類縁体とともに単離しその構造を明らかにした。さらに、生物活性の解析により本化合物がアクチン脱重合活性及び腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導活性を有することを見出した。本解析結果を踏まえ、アクチン脱重合物質であるアプリロニンA及びミカロライドBについても同様の評価を試み、腫瘍細胞へのアポトーシス誘導活性を有することを見出した。 また、新たな生物活性の評価系として抗酸化作用に関連するメラニン生成阻害活性の測定系を構築し、その有用性を植物サンプルから活性物質の抽出を試みることで確認した。本アッセイ系を共生藻抽出物のサンプルにも応用し生物活性の測定に役立てた。
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Research Products
(18 results)