2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNAータンパク構造を特異的に制御する機能性ポリアミドの開発
Project/Area Number |
20611008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
板東 俊和 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20345284)
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Keywords | 機能性分子 / 合成化学 / 核酸 |
Research Abstract |
機能分子設計において、各機能を損なうことなく有機的に両立させることは重要であり、申請者は様々な塩基配列特異性を有する機能性ピロール(Py)-イミダゾール(Im)ポリアミドの設計、Fmoc固相合成法による合成と機能評価を進めている。Py-Imポリアミドの細胞内での高い安定性、良好な細胞・核膜透過性は確認されており、分子内のPyとImの配置によって任意に塩基配列特異性を付与することが可能である。 本研究ではDNA-タンパク認識や結合に関与するDNAの高次構造の制御を可能にするPy-Imポリアミドの開発を目的としている。今年度は、bcr-abl転座配列や、ヒトテロメア配列、CAG繰返配列を標的DNA塩基配列として認識するPy-Imポリアミドの設計・合成、それらの特異的な機能評価を進めた。具体的には、配列特異的にDNAに結合するPy-Imポリアミドに新たな機能を付与する分子設計の検討を進めた。特に、CAG繰返配列で正確にDNAを認識し蛍光を発生する反応機構を有する機能性ポリアミドの分子設計と合成に成功した。最近、ヒトテロメア塩基配列内の11塩基対を認識し効率よく共有結合を形成する機能性ポリアミドの合成と機能評価も成功した。 現在、特定DNA塩基配列を標的とする効率的なアルキル化反応の実現のため、様々なポリアミド部分の誘導体化の検討、及び、分子設計の改良を進めている。将来的には、機能性Py-Imポリアミドが、DNA-タンパク認識に与える影響を理解し、特定遺伝子発現の制御の可能性を追求することを考えている。
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Research Products
(6 results)