2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペスウイルスのコードする蛋白キナーゼの核輸送や活性を阻害する化合物の開発
Project/Area Number |
20611009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢川 裕二 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20184583)
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Keywords | HHV-6 / GCV耐性ウイルス / 蛋白キナーゼ / DNAポリメラーゼ |
Research Abstract |
NPI2に対して結合活性の高いペプチドを検索するため、U69NLSとNPI2間の結合活性と結合様式の検討をBiaCorを用いて結合活性、GFP-U69NLSのHeLa細胞へのマイクロインジェクションによる核移行活性と核移行速度の測定により行なった。その結果、bipartite NLSのN末側の結合部位のRKアミノ酸の変異は核移行には関与せず、C末側の結合部位の3つ総てのRKアミノ酸の変異は核移行を抑制した。しかし、N末側の変異は核移行速度の著しい低下をきたしたが、C末側の変異は核移行速度への影響は示さなかった。結合活性と核移行活性や速度との相関関係はなかった。従って、C末側の結合を完全に阻止できるような化合物の検索が抗ウイルス剤に開発に重要であることがわかった。U69NLSとNPI2が結合した時、DsRed-U69NLSとGFP-NPI2間でFLETが起こることを確認した。ハイスループットな結合活性及び阻害剤検索を行なうためのFLETアッセイ法の条件検討を行っている所である。FLETアッセイ法が確立した段階で、自然界から抽出した化合物のライブラリーから阻害剤の検索を行なう。U69蛋白の機能解析のためのレトロウイルスベクターを用いたU69の発現系はU69遺伝子を細胞に導入することにより細胞に対して毒性を示し、恒常的な発現系の確立はできなかった。さらに、BACシステムによるHHV-6の全ゲノムのクローニングはウイルスDNAの精製が十分でないためか、部分的クローニングはできたが、全ゲノムのクローニングはできなかった。また、U69プロモーターとDsRedを有したレトロウイルスベクターを作製し、HHV-6感染時にDsRedが発現する細胞の樹立を試みたが、やはり、細胞に対する毒性から樹立できなかった。
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