2010 Fiscal Year Annual Research Report
シトシンバルジヘアピンループプライマーを用いた遺伝子一塩基変異の蛍光検出法の開発
Project/Area Number |
20611010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武井 史恵 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30252711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Keywords | SNPタイピング / PCR / 蛍光分子 / DNA / シトシンバルジ |
Research Abstract |
実際の遺伝子配列でのSNPタイピングの実施とアレル特異性の向上 我々は平成20年度にシトシンバルジ周辺の塩基配列を検討し、シトシンバルジ構造にDANPが結合した際に最もバックグランド蛍光と有効シグナルのS/N比が最大になるような配列を見いだしている。さらに遺伝子型が既知であるCytochrome p450遺伝子群、例えば2C9^*3のSNPタイピングを行ない、本手法の有効性を実証している。更に今年はさまざまなSNPタイピングの実証と、更にアレル特異性をあげるための新たな方法について検討した。その結果、ヘアピンプライマーのテンプレートと相補的な配列の一塩基上流までのコンペテイタープライマーを加えることによって劇的にアレル特異性の向上が確認できた。ホモ接合体の検出だけでなく、ヘテロ接合体についてもこの方法が使用できることを確認でき、アレル特異性を劇的に向上させたホモ、ヘテロ接合の検出に成功した。 他のバルジ構造に特異的に結合する蛍光分子の開発 DANPはDNAのシトシンバルジ構造との複合体を形成すると、最大蛍光波長が長波長側に約40nmシフトして430nm付近で発光する。もし異なるDNA構造に特異的に結合する蛍光分子が開発できれば、同時に2種類以上のSNPタイピンが可能と考えられた。この目標をふまえて、DNAのシトシンバルジ構造以外に結合して発光する蛍光分子の探索を行った。DANPのナフチリジン環の3位に置換基を持つ有機小分子を合成し、その蛍光特性、結合特性について検討した。3位にフェニル誘導体を持つDANPよりもフェニル基を介さずに3位に官能基を持つDANPの方が、DNAに対する結合特性が大きく変化することが明らかとなった。
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