2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジー手法による効率的癌細胞標的ペプチドの探索
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20611011
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二見 翠 (北添 翠) Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10467748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 昌彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60026268)
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Keywords | がん細胞 / ペプチドライブラリー / スクリーニング / 蛍光 / in vivo imaging |
Research Abstract |
本年度は、2次元蛍光スペクトル法により細胞に結合するペプチドをペプチドライブラリーからスクリーニングできることを立証した。 ペプチドライブラリーをヒト上皮癌細胞A431に結合させ、細胞を洗浄した後、結合したペプチドを0.1M HClにより細胞表面から抽出する。この抽出液の2次元蛍光スペクトルを測定することにより、A431細胞に最も良く結合するペプチドサブライブラリーを決める。この操作を繰り返すことで、A431細胞に最も結合するペプチド配列を決定することが出来ると考えた。そして実際にA431細胞に結合するペプチドの取得に成功し、本スクリーニングの有効性が証明された。 但し、問題点も見えてきた。ペプチド配列を規定する蛍光性アミノ酸の両側に計2つのグルタミン酸を置き、蛍光基が細胞との結合に関与することを防ごうと考えたが、実際にはこれで蛍光性アミノ酸の目的細胞に対する結合を全く消すことは出来なかった。この問題については蛍光性アミノ酸を変える、計4つのグルタミン酸で蛍光性アミノ酸を挟み込むといったことで解決するのではないかという見通しが出てきている。また、得られたA431細胞結合性ペプチドは残念ながら細胞特異性はなかった。今回はスクリーニング条件の検討を主な目的としており、A431細胞1種類しか使わなかったため、得られたペプチドに細胞特異性がなかったことは想定内の結果ではある。今後は標的細胞以外に対象細胞(正常組織由来の細胞など)を1種類以上置き、標的細胞にのみ結合するペプチドを確実にスクリーニングしたい。また、既に得られたペプチドは細胞特異性がないことで、細胞数などの誤差を補正する内部標準ペプチドとして利用できると考えている。
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Research Products
(5 results)